名作の名セリフ①
4 phrases映画のセリフの中には、作品そのものより長く生き続け、チケットを買ったことのない人までが口にするほど、静かに日常英語へ溶け込んだものがあります。『フォレスト・ガンプ』(Forrest Gump, 1994)では、トム・ハンクス演じる心優しくゆっくり話すアラバマの青年がベンチに座り、母親から受け継いだ素朴な人生観「Life is like a box of chocolates.(人生はチョコレートの箱のようなもの)」を語ります。人生の予測できなさへの温かいまなざしゆえに、先の見えない時に今も英語話者がそっとつぶやく一言です。それより約二十年前、スティーヴン・スピルバーグの『ジョーズ』(Jaws, 1975)では、巨大なホホジロザメを初めて目にしたブロディ署長(ロイ・シャイダー)がアドリブで漏らした「You're gonna need a bigger boat.(もっと大きな船が必要になるぞ)」が生まれ、今では仕事が想像よりはるかに大きいと気づいた時の定番表現になりました。ロン・ハワード監督が1970年の実際の月ミッションを緊迫感たっぷりに描いた『アポロ13』(Apollo 13, 1995)では、トム・ハンクスが宇宙飛行士ジム・ラヴェルを演じ、「Houston, we have a problem.(ヒューストン、問題が発生した)」が、何かがひどく狂ったことを控えめに告げる英語表現として広まりました。そして法廷ドラマ『ア・フュー・グッドメン』(A Few Good Men, 1992)では、ジャック・ニコルソン演じる激高するジェサップ大佐が、トム・クルーズ演じる若き弁護士に「You can't handle the truth!(お前に真実は受け止められない!)」と怒鳴り、現実を直視する覚悟がなさそうな相手に半ば冗談で投げかける決めゼリフとなりました。この四つのセリフの背景を知れば、意味が分かるだけでなく、実際の英会話でいつ使えばよいかまでつかめます。